ロシアのバレンタイン・デー

14/02/2017

バレンタインデーがロシアで広まったのは、わりと最近で1990年代からです。

ロシアではバレンタインデーに、男女が互いにプレンゼントを渡し合います。プレゼントは特に決まっていないのですが、多いのはハート型の物やお菓子やぬいぐるみ、そして「ヴァレンチーンカ」というバレンタインカードです。このカードはたいてい、手のひらサイズの大きさで、ピンクや赤色のハート型をしています。子どもや動物のキャラクターが描かれていてかわいらしいです。

男性から女性への贈り物として、花束もよく見られます。やはり薔薇が一番ポピュラーなようです。ロシアでは、プレゼントのブーケはいつも奇数本です。偶数本の花束は、墓地に持って行くもので縁起が悪いとされているからです。2月になると、バレンタインデーに向けて、デパートやスーパーなどでは、ハートを用いた華やかなディスプレイがなされます。当日は、多くの男女がレストランやカフェや家などで甘い時間を過ごします。

ロシアのバレンタインデーには、恋人にはもちろん、異性の親しい友人や同僚にもプレゼントを贈る人が多いです。女性から女性へ「友プレゼント」をする人もいますが、男性から男性への「友プレゼント」はほぼ無いです。

ロシアには、バレンタインデーと同時期に、男性の記念日と女性の記念日があります。2月23日の「祖国防衛の日」と3月8日の「国際女性デー」です。これらの日は、国民の祝日で、ロシアではバレンタインデーより歴史があります。「祖国防衛の日」は、戦時中に戦った人々や軍人に対する尊敬や感謝を表す日です。軍人の記念日ではあるのですが、すべての男性がこれから従軍する可能性があるため、男の人全員の記念日となっています。この日には、女性から男性にプレゼントが贈られます。家族の間でも、祖母や母親から男の子へプレゼントをしますので、バレンタインデーよりもこの日のほうが女性全体の贈り物参加率は高いです。

3月初めの「国際女性デー」は、女性の美や母性をたたえる日です。男性から女性にプレゼントが贈られます。ミモザやチューリップなどの花束や、ちょっとした小物などが好んで選ばれています。これら2つの記念日にバレンタインデーが加わって、ロシアでは、2月から3月にかけてはプレゼントへの出費がかさむ時期となっています。